弁護士事務所における事業承継の大まかな流れ
- hirohayaoffice
- 2024年9月25日
- 読了時間: 4分
弁護士業務の概要
1. 法律相談
クライアントが抱える法的な問題や疑問について助言を行います。
契約書の作成やチェック、法的リスクの説明なども含まれます。
2. 訴訟代理
民事事件や刑事事件、行政事件などで、クライアントを代理して訴訟を行います。
訴訟における戦略の立案、裁判所での弁論、証拠の提出などを行います。
3. 交渉・調停・仲裁
訴訟以外の手段で問題を解決するために、交渉や調停、仲裁などを行います。
取引先や関係者と合意を取り付け、争いを未然に防ぐ役割も果たします。
4. 契約書の作成・レビュー
企業間の取引契約、労働契約、秘密保持契約など、さまざまな契約書の作成・チェックを行います。
契約内容に法的リスクがないかを確認し、クライアントの利益を最大化するための修正を提案します。
5. 企業法務
企業の法的リスク管理やコンプライアンス(法令遵守)をサポートします。
M&A(合併・買収)や企業再編、内部統制の構築、労働問題への対応など、企業活動に関する幅広い法的支援を行います。
6. 刑事弁護
刑事事件で被疑者や被告人を弁護し、適切な処遇を受けられるようにします。
警察や検察による取り調べに立ち会い、法廷での弁論を行います。
7. 家事事件
離婚、遺産分割、親権争いなど、家庭に関する法的問題の解決を支援します。
調停や裁判における代理人として、クライアントの主張を代弁します。
8. 行政事件
行政機関による処分や決定に異議を申し立て、行政訴訟を行います。
行政手続きにおける代理や助言を行い、クライアントの権利を守ります。
9. 国際業務
海外の企業や個人との取引に関する法的アドバイスを行います。
国際取引契約の作成や、国際的な紛争解決をサポートします。
10. その他の業務
各種許認可の申請、各種公的書類の作成・提出なども行います。
弁護士は、これらの業務を通じて、クライアントが直面する法的な課題を解決し、法的リスクを管理する役割を担っています。

弁護士における事業承継のおおまかな流れ
1. 事業承継の計画策定
現状分析と目標設定:弁護士事務所の現状や経営状況、顧客基盤、従業員のスキルなどを分析し、事業承継の目的やゴールを設定します。
後継者の選定:内部の弁護士(パートナーやアソシエイト)からの選抜、外部からの招聘、親族への継承など、適切な後継者を選びます。
2. 承継方法の決定
内部承継:事務所の内部の弁護士に引き継ぐ方法。パートナーシップを組んだり、株式を譲渡することで承継を行います。
外部承継:外部から後継者を迎え入れる方法。他の弁護士法人や個人に売却したり、統合するケースもあります。
親族承継:親族に弁護士がいる場合、事務所を引き継ぐことも考えられます。
3. 事業承継計画の具体化
契約書作成:株式譲渡や事務所の移転契約、業務引き継ぎに関する契約書を作成し、法的な準備を行います。
資産と負債の整理:事務所の資産、負債を確認し、後継者への引き継ぎ方法を整理します。
税務対策:株式譲渡や資産移転に伴う税務の負担を考慮し、適切な税務対策を行います。
4. 後継者の育成と引き継ぎ
業務の引き継ぎ:クライアント対応や裁判対応の引き継ぎを行います。重要なクライアントについては、後継者との面会を設定することも必要です。
経営の引き継ぎ:経営方針や事務所の運営方法、従業員とのコミュニケーション方法などを後継者に伝えます。
ブランドと信用の引き継ぎ:事務所の名前やブランド、信頼を後継者が継承できるよう、社内外に周知します。
5. 承継の完了とサポート
法的手続きの完了:法務局への届け出や変更登記を行い、名義変更などの手続きを完了させます。
アフターフォロー:事業承継後も、前任者が後継者のサポートを行うことが推奨されます。クライアントのフォローアップや、必要に応じて業務のアドバイスを提供します。
6. クライアントおよび関係者への告知
顧客対応:クライアントに対して、事業承継の事実と後継者を紹介する場を設け、信頼関係を引き継ぐ。
関係者への周知:司法関係者や弁護士会、取引先などに事業承継の事実を報告し、スムーズな引き継ぎを促進します。
弁護士事務所の承継は、特に顧客との信頼関係や経営の安定性を考慮した計画的な準備が重要です。専門家のサポートを受けながら進めることが望ましいでしょう。