土地家屋調査士事務所における事業承継の大まかな流れ
- hirohayaoffice
- 2024年9月28日
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土地家屋調査士業務の概要
1. 土地の測量
土地の境界を確定させるための測量を行います。隣接する土地の所有者との境界を確認し、測量結果を基に登記を行います。
土地の分筆(複数の土地に分ける)や合筆(複数の土地を一つにまとめる)に関する測量も行います。
2. 建物の調査
建物が新たに建設されたり、増改築された際に、建物の所在、構造、面積を調査します。
調査結果に基づき、建物の表題登記を行います。
3. 登記申請業務
測量結果や建物の調査結果を基に、法務局に対して登記申請を行います。土地や建物の所有者が、法的に権利を主張できるようにするための重要な手続きです。
土地や建物の分筆、合筆、地目変更、建物の新築や滅失などに関する登記申請を代行します。
4. 境界に関する紛争の解決支援
土地の境界に関するトラブルや紛争が発生した場合、専門的な知識を活かして調停や仲介に入ることがあります。
隣接する土地所有者との境界確認の立会いなども行います。
5. 法務局との連携
登記に関する業務を行うため、法務局と密接に連携し、法的な手続きを進めます。
6. 土地家屋調査士の資格
土地家屋調査士になるためには、土地家屋調査士試験に合格し、その後、土地家屋調査士会に登録する必要があります。
土地や建物の権利関係を法的に確定させる役割を担うため、不動産取引や開発において重要な存在となっています。

土地家屋調査士における事業承継の大まかな流れ
1. 事業承継の計画立案
承継のタイミングや方法の決定: 承継するタイミング(定年、体調不良、引退など)や、承継をどのような形で行うかを決定します。家族や親族に引き継ぐ場合、あるいは外部の土地家屋調査士や法人に引き継ぐ場合があります。
事業の現状把握: 事業規模、クライアントの状況、契約内容、登記手続きの進行状況、資産・負債、従業員の有無など、事業の全体像を正確に把握します。
2. 後継者の選定
後継者が家族の場合: 子供や親族に引き継ぐ場合は、後継者が土地家屋調査士資格を持っているか、将来的に取得するかどうかが重要です。資格取得に向けたサポートが必要になる場合もあります。
後継者が外部の場合: 資格を持つ外部の土地家屋調査士に事業を承継するケースもあります。この場合、クライアントとの信頼関係をどのように維持・引き継ぐかが重要な課題です。
3. 事業価値の評価
財務・非財務の両面から事業価値を評価します。具体的には、継続的な収入源となるクライアントの数、年間の登記申請件数、長期契約の有無、事務所の資産や設備などを含めて評価します。
非財務的な要素として、信頼関係や事業の評判、地域での地位なども考慮します。
4. 承継契約の締結
承継に関する契約書の作成: 事業の売買、もしくは贈与・相続の場合に、後継者との間で正式な契約を結びます。これには、事務所の権利、クライアントとの契約、資産の引き継ぎなどが含まれます。
法律の専門家や税理士に依頼し、契約内容や税務の確認を行います。
5. クライアント・関係者への通知と説明
クライアントへの告知: 承継がスムーズに進むためには、クライアントに対して事前に通知し、新しい土地家屋調査士への信頼を確立することが重要です。説明会や個別の連絡を行うこともあります。
従業員やパートナーへの説明: 事務所に従業員がいる場合、承継の詳細を共有し、業務の継続に支障がないよう調整します。
6. 事業の引き継ぎと実行
実務の引き継ぎ: 実際の業務やクライアントとの関係の引き継ぎを行います。クライアントの情報や登記案件の進行状況などを後継者にしっかり伝えます。
設備や事務所の引き継ぎ: 事務所の設備、システム、契約書類、その他の必要な資料を整理し、新しい所有者へ引き継ぎます。
7. 承継後のサポート
サポート期間: 承継後もしばらくの間、前任者が後継者をサポートすることがあります。これにより、クライアントや業務に対して円滑に適応できるようになります。
アフターフォロー: クライアントや関係者からの信頼を維持するため、しばらくの間、前任者がクライアントとの関係を続けることもあります。